「税金が安くなるニュースの裏で、役所では何が起きているか?」
こんばんは!seijiです!現在係長昇任1年目で、今は税務関係の職場に勤務しています(筋トレとズボラ飯が趣味です)。 ニュースで「減税」と聞くと、「やった!」と思いますよね。 しかし、現場にいる私の実感は少し違います。今日は、区役所の係長として「一日のリアル」を交えつつ、2025年度の税制改正で何が起きているのか、そして納税者としてどう動くべきかを、できる限りわかりやすくまとめてみます。
◆ 朝イチから始まる “システム改修の懸案事項”
朝、パソコンを立ち上げても、まだシステム改修の具体的なスケジュール通知は来ていません。
年の瀬も押し迫っているというのに。
今回の改正でいちばん厄介なのは、正直、この**「システム対応の遅延」**です。
- 特定親族扶養控除の追加
- 給与所得控除や所得税基礎控除変更等に伴う住民税の計算ロジック変更
- 新制度に伴う関連部署システムとの連携
これらの膨大な変更を、いつ、誰が、どうやって改修するのか。 私たちは、ベンダーのシステム改修後、ロジック検証をしなければならないのに、その検証計画すら立てられない状態です。
「またロジック検証か…」と嘆く以前に、今は**「いつ検証できるんだ?」**という不安しかありません。自治体側もベンダー側もギリギリの綱渡りです。
◆ 住民からの問い合わせ:「住民税も安くなるんですよね?」の罠
2025年の定額減税はニュースで大きく取り上げられました。その影響で、住民の方からよく聞かれるのがこちら。
「所得税が安くなるなら、住民税も同じように安くなるんですよね?」
ここが本当に説明が難しい。そもそも所得税と住民税の違いがわかる住民が何名いるんだろうか。制度は似ていても、運用はまったく同じではない。仕組み、適用のタイミング、控除の流れ──細かい部分を説明すると長くなるため、「結論だけ知りたい住民」との温度差が生まれることもあります。
◆ 「年収の壁」問題が増えすぎて、現場も混乱
最近とくに増えているのが、**「結局、年収いくらまで働くのが一番いいんですか?」**という相談。
100万、103万が無くなった?
130万はそのままなの?
201万まで大丈夫って聞いたんだけど…
もう年収の壁が増えすぎて、住民の方の混乱がピークです。壁を越えたと思ったら、また壁が見えてきます(冗談ではなく本気)。
住民の方からしたら冒頭の内容が一番気になると思うのですが、実際、「社会保険、所得税、住民税の「壁」となる基準が一致しない」という構造がある以上、私たちとしても「これが正解」とは回答しづらいのが本音です。
◆ 現場の焦燥:時間がない、ベンダーも来ない
今回の改正で、個人的にいちばん感じている本音はこれです。
「税制改正から、自治体が対応するまでの時間が短すぎる。しかもシステムベンダーのリソースが足りなさすぎる」
制度は毎年変わります。変更点が複雑なときは住民の不安も大きい。にもかかわらず、システムの改修計画すら年内に確定しない。
これは、私たち係長レベルでどうこうなる問題ではなく、国の**「システム標準化・統一化」という巨大な流れの中で起きている構造的な遅延です
(標準化については別記事で作成しようと思っています。参考に、別サイトですが、以下の記事を載せておきます。
「システム大移動」遅れ続出、自治体の本音と悲鳴https://toyokeizai.net/articles/-/743795(東洋経済様のHPに飛びます))
いろんな原因から遅れが生じていますが、その結果、一番皺寄せを喰らうのは、いつも最前線の「現場」です。
◆ 係長として伝えたい:納税者が絶対知っておくべき3つのこと
私たちは板挟みですが、納税者であるあなたが知っておくべきは「役所の苦労」ではありません。
この改正を機に、以下の2点だけは確認してください。
- 令和8年6月に届く住民税の決定通知書の去年の金額との比較
大体どの役所も、6月に住民税決定通知書を送ります(お給料をもらっている方は、会社から従業員に渡されるまで時間がかかるので、7月くらいになるかもしれません)。そこには住民税の金額や、その計算内容の内訳が記載されています。その内容が、去年の内容と比較して明らかに増えたりしていないか、確認して下さい。特に、特定親族扶養控除という枠が増えているので、大学生のお子様がいる方は要チェックです。 - 役所にメールで聞く: 6月の住民税の決定通知書送付後、役所は特にバタバタしています。電話地獄です。そのため、なかなかお電話がつながりません。ですが、どの役所も「メールや電子で問い合わせができる窓口」があるはずです。これは「税」に特化した窓口でなくて構いません。「税」のことを聞けば「税」の管轄に投げてくれます。電話での対応は人によってまちまち(ハズレの人に当たることもあります)が、メールや電子で問い合わせがあったら基本文書で回答するので、ちゃんとした人のチェックが入ります。その制度を利用して下さい。
◆ 最後に:公務員の現場から見た最近の税制改正
「税負担を減らしたい」のは公務員も同じです。子育て中の職員、家のローンを抱える職員、みんな同じ生活者です。
私は、制度の運用に携わる係長として、税制改正に的確に対応し、住民の皆様に公平かつ適正な課税事務を運営していきたいと考えています。
しかし、最近の税制改正は、改正までの期限が短い割に内容が複雑というものが増えています。さらに、標準化(という愚策)によってベンダー側のリソース、自治体職員の負担が増加しており、さらに現場に皺寄せが来ています。
このnoteでは、そんな公務員の現状をお伝えしつつ、そんな中でも昇任したての係長が奮闘していく記事(時に筋トレやズボラ飯を交えた雑記)を公開していきます。
- 所得税 2025年の税制改正(国税庁ホームページ)
- 年収の壁・社会保険対策(首相官邸ホームページ)
- 住民税の改正(横浜市ホームページ)


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