📘 【ふるさと納税「控除に上限を検討」】都市部の係長が感じた“やっと動いたか”という本音と、これからの話

仕事の記録

■ ふるさと納税の「控除に上限を検討」ニュースを見た瞬間

ふるさと納税「控除に上限を検討」
ニュース元→https://news.yahoo.co.jp/pickup/6561089

このニュースを見た時、正直、心の中でこう叫びました。

「やっっっっとかよ!!!」

長年、現場で住民税を扱ってきた身として、
これはもう “悲願” と言ってもいいほどの改正でした。


■ 都市部の税流出は、想像以上に深刻だった

たとえば、給与収入が 2500万円 の場合。
ふるさと納税の上限は 約50万円

この寄附額のうち、住民税から控除する分の半額を
自治体が負担します。

都市部は高収入の方が多いので、
単純に、その“負担の量”も桁違いになります。

実際、
「上限いっぱい寄附されると、年間100億円以上が流出する」
という自治体も存在します。


■ 「流出したら国が補填するのでは?」という誤解

よくある誤解がこれです。
「ふるさと納税により流出した金額は、地方交付税として交付される(国が補填する)。そのため、ふるさと納税の流出の影響は抑えられる。」
地方交付税とは、地方自治体間の財源の均衡を図ることを目的とした国の財政調整制度のことを言います。これがあるから、流出されたふるさと納税は補填されると、現場でもよく聞きます。しかし、この制度には決定的な穴があります。
以下、目黒区にHPから抜粋した文書になります。

「地方交付税は、本来地方の税収入とするべきものですが、全ての地方公共団体が一定の水準を維持できるように財源を保障するため、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分するものです。

多くの自治体では、「地方交付税」という仕組みによって、ふるさと納税による減収額の75パーセントが国から補塡されています。しかし、目黒区をはじめとする東京23区は「地方交付税」の不交付団体となっており、国からの補塡が一切ありません。」
出典元→https://www.city.meguro.tokyo.jp/hisho/kusei/yosan/kifukin8.html

…はい、ということで、東京23区のほとんどは 地方交付金の“不交付団体” です。

つまり、
流出したら、そのまま減収。
国から戻ってくることは一切ない。

さらに、ワンストップ特例で本来は
“国の所得税から控除すべき分”も、
自治体が代わりに住民税から差し引いています。

ここでも補填はありません。
完全に“持ち出し”です。
意味がわかりません。


■ 数字が物語る制度の限界

制度開始は2008年。
広がるスピードに対して、制度の見直しは追いつかないまま。

そして結果がこれです:

これは、かなり深刻です。
もはや、自治体の努力ではどうしようもない段階まで来ていました。


■ 現場から見た「業務への影響」はこれくらい

驚かれるかもしれませんが、
上限が新たに設定されるだけなら、計算はほぼシステム処理です。
また、他の控除の計算で、上限設定をしているものもあるので、正直そこまで難しくありません。

(住民の皆様への周知・説明は丁寧に行います)


■ 「半分が経費」の不自然さ

ふるさと納税の寄附金の約 50% は、
返礼品や広告など“寄附を集めるための経費”に消えています。
出典元:https://www.tokyo23city-kuchokai.jp/katsudo/shucho.html

自治体に届くのは、残り半分。

制度の趣旨を考えると、
いつかは必ず議論が必要だった部分です。


■ なぜ自治体は「やっと動いたか」と感じているのか

長年、現場からは
「この制度は明らかに歪んでいる」
と声を上げてきました。

でも、これまでは
返礼品競争を制限するなど、表面的な対応が多く、
根本的な部分はそのまま…。

今回の「上限設定」は、
初めて制度の核心に触れた改正です。

だからこそ、現場の人間は
安堵と期待の気持ちを抱いています。


■ そして、ここからが本題

“住民にとっても、良い方向に進むはず”

都市部に住む方にとっては、
上限設定により 正しく税金が地元に残る ようになります。

その結果、
地域の行政サービス向上にもつながりやすくなります。

つまり、
「自分が住んでいる街の未来」に対して、
少しだけ追い風が吹く制度変更なんです。


■ 最後に:制度は変わる。でも、働く人の姿勢は変わらない。

ふるさと納税が始まってから16年。
制度はずいぶん遠回りをしながら、やっとここまで来ました。

それでも、現場で働く私たちのスタンスは変わりません。

「住民にとってどうあるべきか」
「現場でできる最善を積み重ねる」

制度が変わっても、
この部分はずっと変わらないし、変えたくない。

少しだけ未来に光が差すような、
そんな改正になってくれたら嬉しいなと思います。

(そして個人的には、問い合わせが少し減ったらさらに嬉しい…!)

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